府中張替え職人が語る「鳥の子」

2019/09/30 ブログ
鳥の子色

こんにちは

府中張替え職人 川上です。

 

本日は襖紙「鳥の子」についてお話ししようと思います。

 

特にお客さまから質問がある訳ではないのですが、

ランクを示すものとして使用していますので、

どういった意味があるか ご説明します。

 

鳥の子

つまり 卵色 

 

襖に使われる和紙は「唐紙」とも呼ばれ、

中国伝来の技法で造られていたとされています。

その紙の色合いであるベージュやクリーム色を

当時の人々は卵の色に見立て

「鳥の子 色」

とウィットをきかせて呼んだのです。

 

 

その時から続く呼び名として、

「鳥の子」は襖紙の標準ランクを称する言葉となりました。

 

もちろん 襖紙製造の技術は進歩し、

中国より伝来された以上の伝統文化

「和紙」として現代に至ります。

 

手漉き機

技術の進歩により現代では

抄紙機という機械で製紙するようになっています。

(↑写真は手漉き機)

ところが、

効率を上げる為に生まれた抄紙機なのですが、

戦後は まだまだ質が悪く、

手漉き紙に かないませんでした。

 

そこで名付けられた言い方が

「新鳥の子」

“新”をつける事でキャッチコピーとしては

イメージが上等なのですが、

「新鳥の子」は機械漉きで、質は「鳥の子」より下という

ランクが現在でも踏襲されています。

 

新鳥の子

現在では機械漉きの技術が向上し

手漉きに迫る質となってきた為、

ほとんどの襖紙が機械漉きです。

 

「鳥の子」も あえて手漉きの風合いを残す具合の

機械漉きとなっていて、

手直し程度に人の手が加わえられる程度です。

 

 

ランクとしては

「新鳥の子」

「上新鳥の子」

「鳥の子」

「本鳥の子」

 

と 順に質・耐久性・色味・価格が上がっていきます。

「本鳥の子」に至っては、

完全 手漉きによる為、お値段も相当です。

(質も最高です。)

 

 

 

一方、

襖紙には糸入りで強度を高めたモノもあります。

織物と呼ばれ、

「普及・中級・上級」

と当店ではランク付けしています。

これらの違いは、

紙質もさることながら、

糸の本数(細かさ)に由来します。